男のくせにメソメソするな
母親と離れ知人宅に預けられた3歳児は、見捨てられるのではないかという強い不安に襲われました。
その反面、母親と一緒にいると安心感でいっぱいになりました。
安心ボケというのか分かりませんけど、いつもボーッとしてよだれを垂らしていました。
母の話も上の空で注意されてばかりです。
次第にそんな私に対して怒りを感じたようで、強い口調で叱るようになってきました。見放されてしまう不安がよぎります。
するとすぐに泣いてしまいます。
その繰り返しです。
すると見かねた父親が「男のくせにメソメソするな!」と叱りつけます。
こうして私は両親を毒親にしてしまったんんだと思います。
私は、少しずつダメに人間になっていくのでした。
小学校1年生になると、2Fの寝室で一人で寝かされるようになりました。
この瞬間を迎えるのがとても嫌でした。
天井の木目の模様が人に見えてきたり、ドアの隙間から誰かにのぞかれているかもしれないと心配したり、とにかく怖くて仕方がありませんでした。
また、両親に怖いと伝えることができませんでした。
男のくせに~と言われかねないので言えなかったんだと思います。
掛布団を頭からかぶって汗だくになりながら、ただ、眠りに入るのをひたすら待っていました。
あまりの恐怖に足音が聞こえるようになりました。
私の背後で誰かが歩いるのを感じました。
ミシッミシッと畳の上を歩く音を毎日毎日聞きました。
その人を見てしまったら最後、私は襲われてしまうと想像するとさらに恐怖が増しました。
疲れ切って眠りに入ると悪夢を見るのでした。
朝起きるとぐったりしていました。
そして日中にぼーっとするのでした。
親の話を上の空で聞く小学校1年生の私は、また、親の怒りを買うのでした。
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